今回ドミーをバローが小会社化すると宣言しました。
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バローが、愛知・三河地方を地盤とするスーパーマーケット「ドミー」を完全子会社化すると発表しました。
筆者としては、2014年にオープンしたドミー岩津店以降。
少しずつ経営が細くなっていくのを感じていました。
ドミーはもともと1992年に名古屋証券取引所第二部に上場していましたが、2018年に会計処理の問題(減損やリベート配分の不備)を巡って報告書の提出が遅れ、最終的に2018年3月に上場廃止となりました。
その上場廃止直前の終値は613円。
今回、バローが提示した買付価格は1株1,917円で、およそ3.1倍の水準です。
記録が残る範囲では、上場中の最高値は629円程度だったようで、今回の価格はそれすら上回っています。
つまり、株主にとってはかなりの好条件で、ようやく現金化の出口が開かれたとも言えるでしょう。
創業家一族は11.28%の株式を保有しており、TOB価格で換算すると約5億8,400万円に相当します。
(中堅スーパーが締めるときの流れとして、創業家が経営責任のもとで会社を資金的に支えていた場合、実質的には“ほとんど残らない”可能性もあるというのは、十分にありえるシナリオです。)
ちなみにドミーの創業は1913年(大正2年)5月。三河の地で呉服店からスタートした老舗です。
時代は変わり、スーパーマーケット業界も大きな転換期にあります。
かつての「地域の顔」も、今や大手流通グループに統合される流れに。
今回のTOBでは、自己株式を除いたドミーの全株式(2,702,165株)を取得した場合の総額は、約51億8,005万円。
これは、バローの2025年3月期・最終利益(136億5,400万円)の約38%にあたります。
グループに新たに33店舗を加えられるなら、安い投資かもしれません。
一見インパクトのある投資額ですが、これは「費用」ではなく「資産化される投資」。
バローにとっては、経営的にも財務的にも十分に実行可能な戦略と言えるでしょう。
中部地盤のスーパー再編は、いよいよ次のフェーズへ。
「デスティネーション・ストア」や「バロー経済圏」というキーワードからも、スーパーという業態が単なる「食材の店」を超えた存在になろうとしていることを感じます。
筆者:かぴばら
投稿日:2025年07月07日 (月) 17時56分 [no.28953]
投稿日:2025年07月07日 (月) 17時56分 [no.28953]