2024年08月10日 (土) 07時00分 発行 第11276号

大垣市のシンボル、トミダヤ消滅から10年:地域スーパー業界の変貌

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版次最終編集:2024年08月10日 07:05
筆者:
大垣市のシンボル、トミダヤ消滅から10年:地域スーパー業界の変貌 今の日本のセルフ式のスーパーマーケットが日本各地に広まったきっかけとされているのが、1957年主婦の店運動だと言われています。
岐阜県ではバローが、1958年に主婦の店恵那店の開設をスタートとして始まっています。


一方、岐阜県の西濃地方では、1962年従来の八百屋スタイルから、セルフ式のスーパーマーケットの開店にこぎつけました。それが西濃地方を中心に広まったフードセンタートミダヤです。

少しその当時を振り返ってみたいと思います。



目次

  1. 当時のトミダヤ
  2. 近年のトミダヤ
  3. 今思えば
  4. コノミヤの支援
  5. 玉ねぎのかき揚げは手間がかかる
  6. 主婦の店を支えていた人たち
  7. どこかで無理があったから?!
  8. 関係する記事一覧
  9. 参考になったサイト

当時のトミダヤ



トミダヤ大垣店の写真
(トミダヤ大垣店)

大垣市伝馬町に出店していたトミダヤ大垣店しか、筆者のアーカイブには写真が残っておらず、当時は大垣店の東側に本社社屋がありました。


特に西濃地方のトミダヤ・岐阜地方の三心・東濃地方のバローという形で、岐阜県の美濃地方は、三社のスーパーマーケット展開が非常に活発であると感じました。



近年のトミダヤ



2000年代に入ると、少し雰囲気が変わってきたのを覚えています。2003年にライバルだったバローが、現在の東証プライムに上場を果たします。


バロー赤坂店の写真
(バロー赤坂店)

上場した結果、2000年代中盤から、岐阜県西濃地方に大量出店を果たしていきます。

後に、現在の会長のインタビューにて、その当時のインタビュー記事がなくなっていることがわかりました。


現代風に言うなら、「他社を凌駕する勢いで新規出店を行った」と当時ライバルを意識した出店を行った旨の回答をしており、トミダヤの勢いが衰えていくことになったのを覚えています。



最後の一押しとなったのは、2010年代におけるフード&ドラッグの猛攻ではなかったでしょうか?
ドラッグストアの調剤薬局を増やすという国の方針によりドラッグストアが増えつつも、経営を考え食品を扱うドラッグストアの展開です。



今思えば



トミダヤの繁盛店の写真
(トミダヤの繁盛店)

2011年に和歌山県のオークワと業務提携を発表した頃から、トミダヤの動きに変化があったのがわかります。

しかし、オークワとの提携はうまくいかず。後に提携を解消しています。



新フォーマット店舗の写真
(新フォーマット店舗)

その頃から急激に

1.性格の異なる店舗への改装
2.新商品(昔懐かしい)のアピール
3.不採算店の閉店

を行うようになり、2014年前後は、トミダヤの運営に大きな舵取りを見受けられるようになりました。


今思えば、2015年の地域経済活性化支援機構による支援手続きを開始前、銀行による経営支援を受けていたとのことですので、トミダヤの性格がガラッと変わった理由がわかった瞬間でした。



コノミヤの支援



トミダヤ本社の現在の写真
(トミダヤ本社の現在)

最終的には、コノミヤの支援を受けることが決定し、現在に至っています。

筆者がコノミヤに変わった瞬間に一番ショックだったのは、今までトミダヤを支えていた主婦層のスタッフの激減です。




玉ねぎのかき揚げの写真
(玉ねぎのかき揚げ)

トミダヤの惣菜コーナーといえば、この1個80円台で購入できた巨大な玉ねぎのかき揚げです。




玉ねぎのかき揚げは手間がかかる



玉ねぎのかき揚げの写真
(玉ねぎのかき揚げ)

筆者は先日、当時のトミダヤのかき揚げを再現したくて、手のひらサイズくらいの巨大な玉ねぎのかき揚げを再現してみました。


天ぷらは時間がかかります。

あまり急いで作ると、しっかり揚がっておらず、1つの鍋に何個も同時に作ると、当時のかき揚げがうまくできません。
本当に苦労と時間がかかる惣菜であることをやっと理解できました。


しかし、出来上がった玉ねぎのかき揚げは、本当に当時のトミダヤのかき揚げに近いものができました。
当時のトミダヤの天ぷらのかき揚げの大ファンだった親も大喜びしていました。




主婦の店を支えていた人たち



24時間営業のオークワで、朝4時くらいにプロセスセンターから効率化された材料が配達されてきた光景を見たことがあります。

野菜をカットして、天ぷら粉をまぶして、適度の粘土にしたら、油の温度に気をつけて揚げます。
そんな手前の段階を、今やプロセスセンターで1食単位にしっかり重量を統一し、袋詰めして各店舗に配達されるのですね。



お店では袋からそのまま揚げるだけ。という効率化が行われていました。


トミダヤの場合、そういった作業をお店のスタッフに任されていたのですね。

あるキャンペーン・セールの時、そういった主婦の人が、お店の責任者のひとに直々に申し出している様子を見た事があり、当時のトミダヤを支えていたのは、本当に主婦の人たちだったと思います。




どこかで無理があったから?!



現在のトミダヤは、コノミヤ巣南店しか看板をコノミヤに変更できておらず、中身はコノミヤなのに、昔ながらのトミダヤが1つもないのが、筆者の感想です。

個性あるスーパーマーケットの写真
(個性あるスーパーマーケット)

トミダヤの経営陣が変わってしまい10年。


フード&ドラッグはより多くの店舗を展開し、スーパーマーケットは生鮮食品を強化したお店や、そのお店でしか手に入らない独自性の強いお店が強くなっています。



次の10年後はどんな形に変わっているのか?

また1つの楽しみを残しつつ、トミダヤの変化を楽しみたいですね。トミダヤ・川口屋・ヤオセイの時代が懐かしい筆者です。

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